法に定められたオモテ技はもちろん、ベテランケースワーカーだけが知っている裏ワザまで、こっそり教えましょう!
生活保護を受けながら自動車を使用できる3つの場面
生活保護を受けながら自動車の保有が認められるためには、生活保護申請時点ですでに所有している、排気量2000cc以下の自動車であることが大前提です。
その上で使用が認められるのは、①通勤、②通院、③障害者のいずれかに限られます。
それぞれ保有条件が定められていますので、説明しましょう。
場面1 車がないと通勤できない
- バスも走っていない所に住んでいて、自動車がないと職場まで通えない。
- バスはあるけれど、仕事の始まりや終わりが早朝深夜でバスが走っていない。
このような時は、自動車の保有が認められる場合があります。
保有が認められると、自動車の維持費は仕事の収入の範囲内で必要経費として認められます。
必要経費として認められた額については、生活保護費が減額されず、手元に残ることになります。
必要経費として認められる自動車の維持費の範囲は、おおよそ次のとおりです。
必要経費として認められるもの | 通勤や事業のためのガソリン代 修理費用 車検費用 自賠責保険料 任意保険料 各種税 運転免許更新費用 |
必要経費として認められないもの | 駐車場代 |
仕事の収入が自動車の維持費と同じくらいの場合や、むしろ維持費の方が収入より高い場合は、自動車が要らない別の仕事へ転職するよう指導しますね。
なお、自動車の保有が認められた場合、自動車税は免除されます。
実務の感覚としては、自動車の保有を認めるには、月収8万円以上ほしいところです。
月収5万円以下なら自動車を使わない仕事への転職を指導します。
場面2 田舎なので、自動車がないと病院に行けない!
定期的に病院に行かないといけないけれど、バスもない所に住んでいて、身内や病院による送迎もないし、タクシーだとあまりに高すぎる。
このような場合、自動車を保有できることがあります。
ただし、身内などが自動車の維持費を援助してくれることが保有の条件になります。
なお、通院のためのガソリン代は、電車代・バス代と同様、申請すれば生活保護で支給可能です。
申請方法については、こちらの記事に詳しく書いていますので、ご覧ください。
場面3 障害者の場合
障害者が、通院通学などに自動車が欠かせない場合は車を保有できる場合があります。
主な条件は、障害の状況により電車やバスの利用が著しく困難で、他の法律による援助策がない場合です。
障害は身体障害に限りません。
例えば、精神疾患のために人ごみの中に居られないなどの理由で自動車の保有が認められる場合もあります。
ただし、身内などが自動車の維持費を援助してくれることが保有の条件になります。
なお、通院のためのガソリン代は、電車代・バス代と同様、申請すれば生活保護で支給可能です。
申請方法については、こちらの記事に詳しく書いていますので、ご覧ください。
自動車の保有が認められても、目的以外使用禁止
自動車の保有が認められた場合でも、認められた目的以外に使用することはできません。
例えば、仕事や通院のために保有が認められた自動車を買い物で使用することは禁止です。
かつて、仕事のために自動車の保有を認めている世帯を担当していました。
ある時、匿名の電話がありました。
本人へ尋ねると、仕事だけに使っている、と言います。
実際の現場では、これ以上追及するのは難しいですね。。。
本当は、仕事の行き帰りに買い物をしているのかもしれませんが、尾行して現場を押さえでもしない限り指導はできません。
こういう事例はあると思いますよ。
自動車を保有できる裏ワザとは!?
今の仕事には自動車要らないし(今は無職だし)、車がなくても通院できる。
でも、自動車は手放したくない!生活保護は受けたい!
・・・・そんなワガママな人へアドバイスします(笑)
生活保護を申請する時、面接員へこう言ってください。
「生活保護から抜けられるように努力しますから、自動車の処分は半年間待ってください!」
半年以内に生活保護からの脱却が確実に見込まれるときは、自動車を処分せずに生活保護を受けられます。
もちろん、運転してはダメですよ。
生活保護が開始されたら、へき地や早朝深夜の通勤など自動車が必要な仕事に就いて、自動車の保有を認めてもらいましょう。
え?そんな仕事を探したけど、見つからないまま半年過ぎた、ですって?
その時は素直に処分しましょう。・・・という答えではダメですか?(笑)
奥の手です。
その時は「処分します」と言いましょう。
すると、担当のケースワーカーから処分の進み具合を定期的に聞かれます。
その時は、「忙しくてなかなか業者へ連絡できないんです」「業者へ引き取りをお願いしたんですが、忙しいらしく時間がかかるらしいです」など、言い訳しながら時間を稼ぐしかありません。
自動車を処分しないからと言って、一度開始した生活保護が停止や廃止になることは通常考えられません。
いつまで言い逃れができるかは、担当ケースワーカーの厳しさと本人の大胆さ次第ですね。