管理人の詳細プロフィール


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管理人の「10年ワーカー」です。
 
某市役所の生活保護担当部署へ勤務する現役ケースワーカー。ケースワーカー歴は10年以上にわたり、担当した世帯数は延べ1,200世帯以上。
 
最近の趣味は山歩きとランニング。休日は、日帰り圏内のトレッキングコースを中心に歩いています。平日は、週3回ほど自宅の近所を走ります。 

地元の市役所へ就職

市役所を志した理由。完全な消去法です。東京で大学生活を送ったのですが、特別やりたい仕事というのもありませんでした。それなら、毎日満員電車に揺られる東京の会社員よりも、地元で公務員になろうか。その程度の動機でしたね。
 
そうこうして始まった市役所生活。仕事は想定外の忙しさでした。最初の配属先は今から振り返ってもかなり多忙な部署で、毎日午後10時までの残業。退庁が午前0時を超えることも珍しくありませんでした。
 
その後も数年おきにいくつかの部署を回りましたが、どこも多忙な部署ばかりで、午後10時前に帰ることはほとんどありませんでした。もしかして、私の仕事が遅かっただけですかね。。。
 
そんな中、楽しみは国内旅行や海外旅行。多忙な部署で長期の休みは取れなかったため、仕事の合間を縫って、3泊4日程度で楽しめる台湾や東南アジア方面へよく行っていました。今思い返しても、忙しいながら自由を満喫していましたね。
 
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生活保護課への異動を希望

私の勤める市役所ではほぼ3・4年で職場が変わります。当時、市役所に入って3課目でした。ここもすでに3年目なので、そろそろ異動のタイミングです。
 
毎年1月、来年度の異動希望書を人事課へ提出します。さて、どの職場を希望しようか。
 
でも、行きたい課なんて特にないんです。何しろ他の課の情報といえば同期からの情報ぐらいで、たかが知れています。これは考えても仕方がない。そこで、同僚や先輩に片っ端から聞いて回りました。
10年ワーカー
これまでで、どこの課がよかったですか?
 
すると、職場のある先輩から意外な答えが返ってきました。
 
職場のある先輩
生活保護課がよかったよ。保護課にいた頃はそうでもなかったけれど、他の課に移ってみるとその良さが分かった。
 
生活保護課。。。。市役所の中で、生活保護課と用地交渉課は二大不人気部署なのです。どちらも対人折衝が必須の職場。生活保護課は様々な問題を抱えている人の対応で苦労するし、用地交渉課は土地を売ってもらうために昼夜を問わず地主のもとへ通い続ける。みんなが避けたがる部署なのです。
 
この先輩、あまり自分のことを語る人ではなく、返事は期待していなかったので驚きました。しかも、生活保護課。。。。
 
あんな不人気部署の何がよかったんだろうか。でも、こんな人が言うことだから、逆に信用していいのかもしれない。よし、特に行きたい部署もないし、生活保護課を希望してみるか。 

いざ生活保護課へ

4月1日、生活保護課へ配属されました。最初に驚いたのが生活保護費の支給日です。
 
4月初めのある朝出勤すると、いつもは閑散としている受付窓口の前に人だかりができています。生活保護費を役所の窓口で受け取る人達です。
 
生活保護費の支給は原則として銀行口座への振込みです。それなのに、わざわざ現金支給にして役所へ来させるということは、それだけの理由があるのです。一癖も二癖もあるような人達が窓口の前にたくさんいます。そこでは荒い言葉が飛び交い、臭いもかなり。。。 
 
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覚えるべきことがあまりに多い!

異動早々、ケースワーカーとしての仕事が始まります。これまで福祉の仕事など全くしたことはないし、知識もありません。それでも福祉制度に精通した「ケースワーカー」として振る舞わなければなりません。
 
ケースワーカーが覚えるべき知識の量はかなりの量です。それは、他の法律では救えない場合だけ、その足りない部分のみ適用する、というのが生活保護制度だからです。
 
つまり、他の法律や制度を知らないことには、その人に生活保護を適用すべきか、適用するにしてもどこまで適用すべきなのかを判断できないのです。
 
ケースワーカーになって数年間は知識を習得するのが大変でした。一つ覚えて「よし!」と思っても、次は知らないことを聞かれ、の繰り返し。いくら勉強しても分からないことだらけ。
 
最初の頃は、分からないことはその場で答えず、先輩や上司に確認してから回答する。これだけを心がけていました。
 

初めての大失敗

忘れない私の最初の大失敗。それは、担当する保護受給世帯を家庭訪問した時の声掛けから始まりました。
 
この人、仮にBさんとします。Bさん宅は何度訪問しても留守で、連絡するようにメモを残しても一向に連絡をくれない人でした。
 
10年ワーカー
Bさん、いらっしゃいますかー
 
Bさん
ああ、10年ワーカーさん、どうも。。。
10年ワーカー
あ、Bさん、生きてましたか!あんまり連絡がないので、心配していましたよ。
 
その時は何事もなく家庭訪問を終えました。が、後日Bさんが生活保護課を訪ねてきました。そして面談室に入った途端、怒鳴ったのです。
Bさん
キサマ、何様のつもりだ?!!!
10年ワーカー
と言いますと・・・?
 
Bさん
俺に向かって「生きていたのか」と言っただろうが!!!ああ、そうだよ。俺なんか生きていても仕方のない人間だけどな。でもな、キサマから言われたくないんだよ!!!
 
実は、Bさんは精神疾患があり、これまでに何度も自殺未遂歴がある方だったのです。そんな人に対して「生きていましたか」は、「自殺したと思っていました」と同じ意味に受け取られたようで、禁句だったのです。
 
しかし、そんなことは言い訳にもなりません。上司と二人で頭を下げ続け、何とか収まりました。その後、担当する保護受給者と話をする際には、少なくとも精神疾患の有無は事前に確認しています。 

一番辛いこと。それは

では、ケースワーカーとして一番辛いことはなんでしょうか。
 
一番辛いこと。実は事務量が多いことです。
 
多くの福祉事務所でケースワーカーの数が不足しています。私の職場も例外ではなく、ケースワーカーは日々事務処理に忙殺されています。
 
もっとしっかりと保護受給者の話を聞きたい。そう思っても、業務の締め切りに追われ、不完全燃焼のまま面接や電話を切り上げることがあります。事務量がもう少し減るだけで、保護受給者との無用なトラブルを減らせるように感じます。
 
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この職場のいい所

大変なことが多い職場ですが、いいことだってあります。
 
私の職場では、ケースワーカーが数十人います。仕事上、イライラすること、落ち込むこともありますが、ケースワーカー同士で愚痴を聞いてあげたり、聞いてもらったりすると、お互い元気が出ます。
 
全員が同じ仕事をしているのでお互い仕事内容が分かります。だから、愚痴を言う方も張り合いがあります。時には思わずいいアドバイスをもらったりして。 

生活保護という仕事の楽しさと辛さ

生活保護は、保護受給者の生活に深くかかわります。進学、就職、結婚、出産、離婚、死亡など、一人一人の生活に密接に関わるのです。
 
自分が担当する保護受給者に嬉しいことがあった時は、一緒になって喜びます。子供が生まれた。希望の学校に進学した。希望の仕事に就けた。結婚した。
 
一方、生活保護受給者に辛いことがあった時は、一緒に悲しみます。病気になった。進学に失敗した。就職に失敗した。離婚した。死亡した。
 
この辛い出来事への対応が難しいです。あまり相手に感情移入し過ぎると、仕事の本分を忘れて、感情に流された対応をしがちです。だからと言って、突き放すような対応をすると、相手との信頼関係が築けません。
 
このあたりのバランスを上手にとれるようになるには、まずは経験を積むこと。そして、応対の上手な先輩ケースワーカーを観察することでしょう。
 
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私にとって生活保護業務とは

私にとって生活保護業務とは、
 
人の役に立つ仕事をしていることを実感できる仕事。
 
対人折衝が苦手な人にとっては、辛い職場かもしれません。実際、早く他の課に行きたいと愚痴をこぼす職員も多いです。
 
私の場合は、たまたまやりがいが辛さを上回っていたのかもしれません。
 
例えば、自分の担当する保護申請者の生活保護が決定した時、自分の助言が保護受給者に役立った時、色々な手続きに同行してあげた時、生活保護からの自立が決まった時。
 
このような様々な場面でケースワーカーは保護受給者から直接感謝されます。市役所の仕事で、人から直接感謝される仕事ってそれほどないですよ。
 
かつての職場の先輩が言っていた生活保護課の良さというのは、このことかもしれませんね。
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