「通院のバス代や電車代は通常の生活保護費と別にもらえるの?」
「通院のタクシー代までもらえることがあるって聞いたんだけど」
生活保護受給者にも、病気やけがの治療のため通院の必要な人がたくさんいます。
バスや電車で通院している場合、通常の保護費とは別に交通費を支給できるケースはかなり多いです。
実は、タクシー代が支給できる場合もあるんです。
通院のタクシー代支給のための5つの条件とは? 様々な事情により電車やバスで通院できない方、必見です!
(※電車代とバス代については、こちらの記事をご覧ください。)
条件1.家から比較的近い病院であること
かかりつけの病院が家から遠い場合もあるでしょう。
生活保護の指定医療機関であれば、家から遠くても受診することは構いません。
でも、そのための交通費を申請したい場合は、近くの病院へかかることが条件となります。
例えば、整形外科へ通院する場合、近くに整形外科があるのに、評判のいい先生がいるとの理由で遠くの整形外科へ通うのは自由ですが、交通費を支給できるのは、近くの整形外科へ通う場合だけです。
このあたりは、役所ごとに運用の差があるので、自分が通っている病院で交通費が支給できるかどうか、担当ケースワーカーへ確認するのがいいでしょう。
ちなみに、私の勤務先の役所では、かなり厳格に運用しており、タクシー代は最寄りの病院までしか認めません。
治療できる病院が限られているような病気の場合は、結果として家から離れた病院までのタクシー代を認めることがあります。
条件2.医者がタクシーでの通院の必要性を認めていること
通院が必要であるとの意見書を主治医に書いてもらう必要がありますが、タクシーの場合は、通院が必要な理由にプラスして、「タクシーでなければ通院できない理由」を書いてもらう必要があります。
例えば、脚が不自由でバスの乗り降りができない、とか、精神症状のため人ごみに近づくことができない、などです。
このあたりは、タクシー代の支給を判断する際の重要な資料になりますので、医者にも正確に書いてほしいところです。
そのためにも、申請者から主治医に対して、タクシーでしか通院できない理由をシッカリ伝えておくのがいいですね。
実際のところ、その人が電車やバスで通えない理由は本人しか分かりませんから。医者は本人の訴えを医学的見地から追認するかどうか判断するだけです。
条件3.通院の経路が一般的であること
実例ですが、定期的に通院しているAさんのタクシー代が時々割高なことがあり、本人へ確認したところ、途中でスーパーへ立ち寄るため遠回りした上に、買物の間、タクシーを待たせていたケースがありました。
この場合、遠回りした区間分と待たせていた時間分のタクシー代は支給すべきではないでしょう。
条件4.適用できる割引運賃が適用されていること
通院にタクシーを利用せざるを得ないケースでは、対象者が身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳を持っていることが多いです。
これらの手帳を持っている場合、多くの自治体でタクシー代が1割引になります。そこで、この割引運賃が適用されていることが必要です。
私の勤務先では、レシートの金額から割引適用の有無が分からない場合は、タクシー会社へ電話して確認することもあります。
条件5.領収書(レシート)があること
領収書がない場合、タクシー代は支給されません。
タクシー利用時は、必ず領収書をもらい、保管しておいてください。
通院タクシー代の支給条件まとめ
以上をまとめると、支給条件は、次のとおりです。
電車・バスと比べると条件は増えますが、支給額も高額となりますし、やむを得ないと思います。
しっかり書類を揃えて、申請しましょう。
- 家から比較的近い病院であること。
- 医者がタクシーでの通院の必要性を認めていること。
- 通院の経路が一般的であること。
- 適用できる割引運賃が適用されていること
- 領収書(レシート)があること
どうやって申請すればいい?
急病の場合を除いて、事前申請が原則ですので、タクシーを利用する前に担当ケースワーカーへ相談しましょう。
役所の事務処理の都合などから、ひと月分をまとめて申請という取扱いが多いです。
申請に必要な4つの書類
- 申請書
- 給付要否意見書(移送)
- 通院証明書
- 領収書
10年ワーカー
電車代やバス代と違い、タクシー代を申請する人というのは、本当にタクシーしか通院手段がない場合がほとんどです。世間的には、「生活保護受けてて、タクシー代まで役所からもらえるなんておかしい」という考えが大多数と思いますが、現場の人間からするとそこは違う気がします。むしろ問題は、月額数百円の電車代やバス代を申請する人ではないでしょうか。。。