生活保護受給者の借家の契約更新料、火災保険料、保証料は住宅扶助費の支給対象です。

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生活保護受給中のYさん
今住んでいるアパートがまもなく契約更新時期を迎えます。契約更新に必要な費用は生活保護から支給してもらえるのでしょうか。
10年ワーカー
契約更新に必要な費用は住宅扶助費として支給されますよ。ただし、上限額や支給条件が決まっています。詳しく説明しましょう。

契約更新時に支給可能な費用は?

契約更新時に生活保護から支給可能なのは、契約更新手数料、火災保険料、保証料です。これらの合計額について、契約更新料等の上限額まで支給できます。
 
契約更新料等の上限額=住宅扶助基準額(地域ごとの基準額はこちら)×1.3
 
ただし、これらの費用が必要なことを契約書に書いてあることが条件です。
 
もし、不動産屋から火災保険料を請求されるけれど契約書に記載がない場合は、火災保険への加入が入居条件であることを契約書に追加してもらいましょう。契約書に書いてあれば生活保護から費用が支給されるのですから、嫌がる大家さんはいないでしょう。



具体例:単身世帯で住宅扶助基準額36,000円の場合

住宅扶助基準額36,000円×1.3=46,800円
この場合、契約更新手数料、火災保険料、保証料を合計して、2年毎に46,800円まで支給可能です。
 
厚生労働省社会・援護局長通知第7-4-(1)-ク
被保護者が居住する借家、借間の契約更新等に際し、契約更新料等を必要とする場合には、オに定める特別基準額の範囲において特別基準の設定があったものとして必要な額を認定して差しつかえない。
 
厚生労働省社会・援護局長通知第7-4-(1)-オ
保護の基準別表第3の2の規定に基づき厚生労働大臣が別に定める額(限度額)のうち、世帯人員別の住宅扶助(家賃・間代等)の限度額(オにおいて「世帯人員別の限度額」という。)によりがたい家賃、間代等であって、世帯員の状況、当該地域の住宅事情によりやむを得ないと認められるものについては、世帯人員別の限度額のうち世帯人員が1人の場合の限度額に次に掲げる率を乗じて得た額(カ、キ及びクにおいて「特別基準額」という。)の範囲内において、特別基準の設定があったものとして必要な額を認定して差しつかえないこと。
1人 2人 3人 4人 5人 6人 7人以上
1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.7 1.8
 
厚生労働省社会・援護局保護課長通知第7の88
問 契約更新料等として、更新手数料、火災保険料、保証料を認定してよいか。
答 必要やむを得ない場合には、契約更新に必要なものとして認定して差し支えない。
 

契約更新料と火災保険料や保証料は、支払時期がずれても大丈夫

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場合によっては、賃貸借契約更新と火災保険更新の時期がずれてしまうことも考えられます。この場合でも、総額が上限内に収まっていれば、別々のタイミングで支給することができます。
 
契約更新料は必要ないけれど、火災保険料と保証料だけ必要という場合でも、総額が上限内に収まっていれば、支給することができます。(生活保護手帳別冊問答集 問7-108)
 
10年ワーカー
火災保険料などは自己負担しているケースもあるのではないでしょうか。生活保護で支給される費用については、制度を積極的に活用しましょう。

ケースワーカーも質問されれば答えますが、聞かれていないのにわざわざ話しませんから、「制度を知っている」ということは大事ですね。