若くて健康な人が生活保護を申請する時に必要なたった一つの条件とは。


読者のBさん
若くて健康だと生活保護は受けられませんよね。だって、本人が一生懸命仕事を探していないだけじゃないですか。
10年ワーカー
Bさんの言うことも分かります。でも、これは生活保護制度に対する大きな誤解です。若くて健康でも、無職や低収入で生活に困っている場合は生活保護を受けられますよ。
読者のBさん
そうなんですか?だとしたら、誰も働きませんよ??
10年ワーカー
生活保護というのは、年齢や健康状態は関係ありません。現在、生活に困窮しているかどうか。これだけなのです。若くて健康でも、今、無職や低収入で生活に困っていれば、申請できます。詳しく説明しましょう。
 
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こんな話、あり得ると思いませんか?
 
25歳男性Aさん。Aさんは高校卒業後数年間勤めた会社を半年前に辞めました。中小企業で勤務年数も短いため退職金も僅か。
さっそく求職活動を始めましたが、希望する職種や給料の会社にはなかなか採用されません。こうして再就職の活動を始めてから半年が経過しました。手持ちのお金はあと1ヶ月で底をつきそうです。
困り果てたAさんは市役所を訪れたところ、生活保護課へ行くように言われました。 
  
正社員を一旦退職すると、同等以上の条件ですぐに再就職できるというのはむしろ珍しいのではないでしょうか。
 
だからと言って、将来のことを考えると、あまり妥協もできません。結果的に仕事が決まらないまま、手持ち金が底をつき保護申請に至るというケース、十分あり得ます。
 
では、健康で無職の25歳Aさんは生活保護を受けられるでしょうか。
 
そもそも、生活保護を受給するためには、次の3つの要件を満たしていることが必要です。
 
1.稼働能力の活用
その人の能力に応じた仕事に就いているか。または、就くための努力をしているか。
 
2.他法他施策の活用
他の法律で収入が得られる場合(年金、手当、給付金など)、受給手続きをしているか。
 
3.資産の活用
お金に換えられそうな資産があれば、売るなり貸すなりして活用しているか。
 
今回問題になるのは1.の稼働能力の活用ですから、この点に絞って詳しく解説します。
 

稼働能力の活用とは?

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「稼働能力の活用」とは、仕事ができる人はその人の能力に応じた仕事をしなければならないということです。
 
仕事をしていない場合は求職するよう指導しますし、仕事をしていてもその人の能力が十分に活用できていない場合は、転職するよう指導します。
 
とは言っても、そもそも障害や病気などで仕事ができない場合もあるでしょう。そこで、仕事をしていない人の場合は、次の3点により稼働能力の活用状況を判断します。 

1.働けるような体調なのか

本人が病気やけがのため仕事ができないと訴える場合は、仕事ができる状態なのかを主治医へ確認します。主治医が仕事は難しいと判断すれば、仕事ができるようになるまで就労指導は行いません。 

2.体調に問題ない場合、働く意思はあるのか

体調に問題がない場合、必要なのは「働く意思」です。本人に働く意思があれば、支援の方法次第で就労につなげることが可能です。逆に、いくら周囲が働きかけても、肝心の本人に働こうという意思がなければ、仕事はいつまでたっても決まらないでしょう。 

3.実際にその人が働ける場はあるのか

その人が働ける状態だとしても、雇ってもらえる環境が必要です。例えば、長年タクシー運転手一筋だったけれど、60歳を過ぎてから目の病気になってしまい、運転ができなくなったという場合です。
 
60歳を過ぎて運転業務しか経験のない人に、今さら運転以外でその人の経験や能力を活かした仕事に就く、というのは現実的には難しいでしょう。このような場合は、就労指導を行わないことも考えられます。 

保護開始後はどうなる?

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体調に大きな問題がない65歳未満の人は、保護開始後すぐに就労指導の対象になります。仕事を探すことが、生活保護を受け続けるための条件になるのです。
 
現在の生活保護制度は就労指導にとても力を入れています。福祉事務所には就労支援の専門職員がいて、履歴書の書き方から面接の受け答えの方法まで、手取り足取り教えてくれます。ぜひ、そんな仕組みを活用して就職し、生活保護からの脱却へつなげてほしいです。
 
生活保護開始後に仕事を始めたとしても、最低生活費を上回るだけの収入を安定して得るまでは、生活保護を受け続けることができますので、ご心配なく。生活保護制度を上手く活用して、ぜひ生活保護から脱却してほしいですね。
 
事例に挙げたAさんの場合は、保護開始後から就労支援の専門職員による様々な支援を行います。そして、早期の保護脱却を目指すことになるでしょう。
 

働く意思がない人はどうなる?

中には、保護申請の時には働く意思があると言っていたけれど、保護が開始になると就職活動を全然しない、という人がいるかもしれません。実際には、求職活動を行っているけれど、1年経っても一度も求人へ応募したことがない、というケースがあります。
 
このような場合は、文書による指導や事情聴取などを経て、それでも求職状況に改善が見られない場合は、指導指示違反を理由として生活保護が廃止になります。
 

まとめ

  • 若くて健康だと生活保護を受けられない、と言うのは間違い。
  • たとえ健康でも、現在、無職や低収入で生活に困っている場合は、「働こうという意思」があれば、生活保護を申請できる。
申請窓口の担当者から「あなたは健康なのだからすぐに仕事が見つかるはず。保護は受けられません。」と言われたら、それは誤りです。担当者にこの記事を見せてあげてください。
 
10年ワーカー
仕事を始めたことで生活保護が廃止になるのは、担当ケースワーカーにとって嬉しいことです。そんな世帯が一つでも増えるように、これからも援助をしていきたいですね。
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