このブログは次の2つを目的としています。
- 生活保護の実情を多くの人に知ってもらうことで、生活保護制度への偏見を減らし、理解を深めてもらうこと。
- 生活保護制度への理解が深まることで、生活保護を真に必要とする方に支援の手が届くこと。
1.生活保護の実情を多くの人に知ってもらうことで、生活保護制度への偏見を減らし、理解を深めてもらうこと。
生活保護受給者は、とかく世間から後ろ指を指されがちです。「俺たちの税金で食べている」などという人もいます。
しかし、生活保護は他人事ではありません。ごく普通の生活をしていた人が、会社の倒産や借金の保証被りなど、一つの事件でこれまでの生活を失う。そういう事態が現実に起きています。
そのような時、生活困窮者を救う最後の砦が生活保護です。生活保護は、社会保障制度における「最後のセーフティネット」とも呼ばれます。
生活保護受給者の中に、仕事を本気で探していない人や、不正に生活保護費を受給している人がいるのは事実です。しかし、そのような人の割合は1%を超えるでしょうか。そのような一部の不心得者のせいで、生活保護受給者全体が悪者、邪魔者扱いされるのには強い違和感があります。
しかし、それは世間一般の人が悪いわけではありません。生活保護制度や生活保護の現場に関する情報が世の中に圧倒的に不足している。このために出所不明の誤った情報が氾濫し、多くの人がその情報に振り回されている。そのことが、生活保護制度への偏見に繋がっていると思うのです。
そこで、現場で長年生活保護業務に携わっている私の視点で、 世の中の多くの人に生活保護の実情を知ってほしいと願い、このブログを立ち上げました。
2.生活保護制度への理解が深まることで、生活保護を真に必要とする方に支援の手が届くこと。
生活保護の現場で仕事をしていると、もっと早く生活保護の申請に来れなかったのだろうか、という場面にしばしば遭遇します。
世の中には、生活保護にまつわる様々な誤解が飛び交っています。
- 生活に困っているのは自分のせいなので、生活保護は受けられない。
- 自分には関係ない制度だと思っていた。
- 持ち家に住んでいるので生活保護は無理だと思った。
- 車が手放せないので、生活保護は無理だと思った。
- 親や兄弟に知られるといやなので、生活保護は無理だと思った。
- 仕事を探しているが見つからず、お金がない。それでも自分は健康なので、仕事を探すべきだから生活保護は無理だと思った。
上に掲げたどの事例も、それだけで直ちに生活保護が受けられないというわけではありません。生活保護が適用できる場面というのは思いのほか広いものです。
生活に困っている人達に、生活保護の正しい知識を知ってもらい、必要とする人が一日でも早く生活保護の窓口までたどり着けるよう、情報発信を続けます。