生活保護を受けると年金はもらえる?もらえない?


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「生活保護を受け始めると年金はもらえなくなるの?」
「年金をもらっている人は生活保護を受けられないの?」
 
 
生活保護の相談にいらっしゃるお年寄りから、しばしば聞く言葉です。
 
 
近年、高齢者の貧困問題が新聞などでさかんに取り上げられています。近い将来、日本では高齢者が貧困問題の中心になるでしょうね。そこで気になる生活保護と年金の関係。実は、意外と単純なんですよ。
 
 
 

生活保護を受けると年金はもらえない?

いいえ、全く逆です。年金の受給資格がある方は、生活保護を受け始めると、かならず年金受給の手続きをしなくてはなりません。それは、「他の法律の規定で受け取れるお金があれば、先にそれをもらい、それでも足りない分だけを生活保護で出す」というのが生活保護法の基本原理だからです。(生活保護法第4条・第5条)
 
 
お住まいの市町村、家族の人数、家族それぞれの年齢、障害の有無、家賃等によって、その家族が最低限の生活を送るのに必要な費用 = 最低生活費、が算定できます。この最低生活費と年金受給額との差額が生活保護費として支給されるわけです。(※単純化するために、医療費や介護費は省略します。)
 
 
最低生活費 - 年金受給額 = 生活保護費
 
 
当然ですが、最低生活費よりも年金受給額が多い場合、生活保護は受けられません。
 
 
 

年金より生活保護費が多いことってあるの?

「長年こつこつと年金保険料を支払って、今では老齢基礎年金を満額もらっているが、年金保険料を全く支払ってこなかった人がもらう生活保護費の方が自分より高いのはおかしい!」
これは、生活保護を受けていないお年寄りから、たびたび耳にする言葉です。
 
 
具体的に見てみましょう。
平成28年度の東京都区部に住む68歳の一人世帯の場合です。
生活保護の最低生活費  月額:133,490円(=生活費79,790円+住宅費上限53,700円)
老齢基礎年金(満額)  月額: 65,008円
 
 
最低生活費が老齢基礎年金の倍以上になりますね。比較にもなりません。でも、そもそも年金65,008円だけでは厳しくないですか?生活保護費が高すぎるのではなくて、老齢基礎年金が低すぎると思いませんか?
 
 
 

老齢基礎年金だけで生活するのは無理 

そうなんです。老齢基礎年金という制度は、それだけは生活できないような年金なんです。この老齢基礎年金は、もともと、自営業者や農業など定年がない仕事をしている人のための年金だったのです。働こうと思えばいつまでも働ける、でも、年取るとだんだん仕事は減るだろうから、その減った分を年金で補いましょう。という年金なんです。
 
 
ですから、老齢基礎年金よりも生活保護の最低生活費が高いのは当然なんです。これまでは、会社員(=定年がある仕事)と言えば厚生年金に加入している人がほとんどでした。そうすると、定年退職後には老齢基礎年金+老齢厚生年金がもらえるので、それなりの生活ができたわけです。
 
 
ところが、1990年代中頃から、厚生年金に加入できない非正規の人が多くなりました。今から約20年後、この人達が65歳を迎える頃には、厚生年金がもらえず老齢基礎年金だけの人が続出するのは間違いないでしょう。その人たちの多くが生活保護に流れ、生活保護受給者が激増するのではないでしょうか。日本の生活保護制度はいつまで持つのでしょうね。。
 
 
なお、年金をもらっていても生活が苦しいという方は、一度、最寄りの役所の生活保護窓口へ相談してみることをお薦めします。
 
 
10年ワーカー
生活保護制度は、今のままだと行き詰まるのに、そのことを公言する政治家はいないなあ。。
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