ケースワーカーが相談に乗ってくれません。問題ケースワーカーとの付き合い方とは?

生活保護受給中のMさん
担当のケースワーカーが相談に乗ってくれず、困っています。
通院の交通費やアパートの家賃更新料を出せる制度があることも保護開始から5年経って初めて知りました。
こんなケースワーカーにはどう対応すればよいのでしょうか。不服申し立てという方法があると聞いたのですが。。
 
10年ワーカー
「ケースワーカーがキチンと生活保護の制度を説明してくれていれば申請できたのに。」
私がMさんの立場でも同じように考えると思います。
では、このような場合、Mさんはどう対応すればよいのでしょうか。説明しましょう。

不服申し立てができる場合とは

74f37596bd93d7e16430b3c76fcb0adf_m
 
生活保護法には、不服申立てに関する規定がありますが、生活保護の開始申請や変更申請があり、その決定内容に不服がある場合は申し立てができる、という制度です。
生活保護法第六四条 第十九条第四項の規定により市町村長が保護の決定及び実施に関する事務の全部又は一部をその管理に事する行政庁に委任した場合における当該事務に関する処分並びに第五十五条の四第二項の規定により市町村長が就労自立給付金の支給に関する事務の全部又は一部をその管理に属する行政庁に委任した場合における当該事務に関する処分についての審査請求は、都道府県知事に対してするものとする。
例えば、通院の交通費を申請したのに却下された。こういう場合には却下という処分に対して、不服申し立てができるのです。
 
Mさんの場合は、制度を知らなかったので、申請自体をしていません。申請がない以上福祉事務所の処分もありません。このため、不服申し立てはできないのです。
 

今後同じことを繰り返さないために

普段と違う支出がある時は事前に相談を

57f11fcfad14636377af1d17b13d8d31_m
 
しかし、Mさんのように、制度の存在そのものを知らなかったので申請できなかった、という話は時々聞きます。過去のことはどうしようもありませんが、今後同じようなことを繰り返さないためにはどうすればいいでしょうか。
 
まずは、契約更新料のように日常的に支出しないような費用を出す必要がある時は、事前に担当ケースワーカーへ相談することが大事です。自分で払ってから相談しても遅いので、普段とは異なる出費がある際は、自分で払う前にケースワーカーへ相談すると決めておけばよいでしょう。
 
ただ、Mさんの話によると担当のケースワーカーはあまり当てにならないようです。困りましたね。。 

生活保護のことを勉強しましょう

e956ed6484fc7589ba8888dc3090ace7_m
 
もっと確実な方法があります。Mさん自身で生活保護の制度を勉強することです。
 
Mさんの都合で担当ケースワーカーを替えてもらうことはできません。ですから、Mさん自身が生活保護制度をしっかり勉強して、使える制度があればしっかりと申請していくという姿勢が大事です。制度を知っている者が得をする、というのは生活保護に限りません。
 
そのために、私のサイトもぜひ活用してください。これからも生活保護受給者に役に立つ記事を書いていきたいと思います。また、疑問質問もお気軽にお寄せください。
 

ケースワーカーに相談しても話が全く進まない時は

7e994766e6ac8987acf882d7843afa55_m
 
あまりあってほしくないことですが、質問を受けたケースワーカーが、知識不足にもかかわらず、よく調べもせずに「それは無理です」「そんな制度聞いたことありません」などと回答した結果、後日問題になる事例もあります。
 
ケースワーカーと話をしていて、対応に違和感を感じる時は、そのケースワーカーの上司である係長と直接話すのも選択肢です。事前に担当ケースワーカーへ係名を尋ねておき、後日、ケースワーカーを通さずに直接その係長を指名して電話をかけるという手順になります。
 
ケースワーカーの立場からはあまり薦めたくない方法ですが、実際にこうすることでケースワーカーの問題が発覚する場合もありますから、最後の手段としてはアリです。
 

まとめ

・申請していないことには、不服申し立てはできない。
・保護受給者が損をしないためには、
 1.普段とは異なる支出がある時は、事前にケースワーカーへ相談する。
 2.生活保護受給者も生活保護制度を勉強する。
・ケースワーカーの対応に明らかに問題を感じるときは、上司である係長へ直接相談する。
 
10年ワーカー
使える制度はしっかりと使って支出を減らす。浮いたお金で冷蔵庫や洗濯機などの買い替え費用を賄う。法の範囲内でやり繰り上手になることは、将来の自立にもつながるはずです。