ヤフーニュース(2023.5.3配信)エスパー伊東「話すこともできない」事務所が明かした現状、生活保護で治療費苦しくクラファン検討へ
記事によると、エスパー伊東氏は生活保護受給中。生活保護の対象にならないリハビリやマッサージ費用が工面できずに困っている。このため、生活保護対象外のリハビリやマッサージ費用について、支援者がクラウドファンディングで集めることを検討中、との内容だ。
原則、生活保護の対象となる医療費は、保険が適用される医療行為に限られる。一般人なら全額自己負担となる保険適用外医療、いわゆる「自由診療」は生活保護の対象とならないため、このような問題が起きているのだ。
結論からいうと、このクラウドファンディングで集めた資金は、支援者の想定どおりには使えない可能性が高い。
支援金を受け取れば、生活保護費は減額される
ヤフーニュースによると、「身体が硬直している部分があるので、リハビリやマッサージなどをお願いしたいのですが、別でお金がかかります。」とあり、あくまでも生活保護受給を前提として、生活保護で足りない部分だけをクラウドファンディングで賄う考えのようだ。
生活保護の制度上、生活保護受給中にエスパー伊東氏が受け取ったクラウドファンディングによる資金は「臨時収入」として収入認定される。臨時収入のうち8,000円を除いた残額は保護費の減額対象となる。
もし、月10万円をクラウドファンディングから受け取れば、エスパー伊東氏の生活保護費が9万2千円減らされてしまうのだ。
つまり、エスパー伊東氏が生活保護を受給している限り、いくらクラウドファンディングをしたところで、氏の手元には実質8,000円しか残らない。
生活保護を抜けるしかない
では、保険適用外のリハビリやマッサージを受けるにはどうすればいいのだろうか。
そのためには、エスパー伊東氏が生活保護を脱却するしかないだろう。
現在生活保護費で賄われている全ての費用、つまり生活費、居住費、保険適用医療費、これら全ての費用を支援した上で、さらに保険適用外医療費として今回のリハビリやマッサージ費を支援する。
こうすることで、ようやくエスパー伊東氏は「別でお金がかかる」リハビリやマッサージを受けることができる。
生活保護が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」とは、そういうことだ。
関係法令
生活保護法による医療扶助運営要領 第1 医療扶助運営方針3
厚生労働省事務次官通知 第8-3-(2)-エ-(イ)