生活保護受給者の転居。敷金や不動産仲介料、家財運搬費用が支給される条件とは。


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読者さん
生活保護受給者は自由に引越していいの?
10年ワーカー
生活保護受給者の転居については、2つの論点に分けて考えましょう。

Q1:そもそも、生活保護受給者は自由に転居できるでしょうか。

Q2:もし自由に転居できたとして、その費用は生活保護から出せるのでしょうか。

 
 
Q1:生活保護受給者は自由に転居できるのか?
A1:生活保護受給者であっても、転居は自由です。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
 
ここでは、Q2について考えてみましょう。

Q2:生活保護受給者の転居費用は生活保護から支給されるのでしょうか。

 
そもそも、転居の費用は、次の二つに分けて考えます。順に見ていきましょう。
 
Q2-1.敷金や不動産仲介料などの家を借りるための費用
Q2-2.家財道具を業者に運搬してもらうための費用 

Q2-1.敷金や不動産仲介料などの家を借りる費用の支給条件とは。

転居する時、家を借りるための費用は生活保護から支給されるのでしょうか。
転居先が同一市内の場合は、次のAについて検討します。
転居先が市外の場合は、次のA・B両方について検討が必要です。 

A.家を借りる費用の支給要件を満たすか。

転居の時に家を借りる費用を出せる場合として、17のケースが定められています。したがって、この17ケースのどれか一つにあてはまる必要があります。(厚生労働省社会・援護局保護課長通知第7の30)
 
17のケースは次のとおりです。
  1. 入院患者が退院することになったが、家がない。
  2. 役所の指導により、安い家賃の物件へ転居する。通常、家賃が住宅扶助の基準を超えている場合が該当。
  3. 法律に基づき立ち退きを強制されている。
  4. 退職により社宅に居られなくなった。
  5. 社会福祉施設等から対処することになったが、家がない。
  6. 宿所提供施設、無料低額宿泊所等から出ることになったが、家がない。
  7. 勤務先が遠距離にあり、役所が特に転居の必要性を認めている。
  8. 災害により住めなくなった
  9. 老朽化などにより住めなくなった
  10. 住居の状態が劣悪で、住めないことが明らか
  11. 病気の治療に支障が出るほど環境が悪い。高齢や身体障害のため物理的に今の家に住めない。
  12. 家がなく、知人宅などに身を寄せている。
  13. 家主から立ち退きを要求され、転居費用を家主が出さないことに正当な理由がある。
  14. 離婚し、新たに家を探す必要がある。
  15. 高齢者や身体障害者が、世話をしてくれる人の近所へ転居する。
  16. 有料老人ホームなどの適切な施設へ転居する。
  17. 犯罪や家庭内暴力により、安全確保のために転居が必要。 

B.市外転居の場合の更なる壁とは

同じ市内での転居であれば、A.の17個ケースうちどれか一つに該当すればOKです。
 
ところが、市外への転居の場合は、さらに「真にやむを得ない事情が認められるか」が条件になります。
 
これが、大きなハードルです。何しろ、基準になるのは「真にやむを得ない事情」の有無であり、その内容はそれぞれの役所が判断します。このため、ここで明確な基準を示すことができません。
 
そこで、私の経験上、高確率で認めれる事例を紹介します。
  1. 高齢により一人暮らしが難しくなり、市外に住む子どもの近所に転居する場合
  2. 市外での就職が決まり、転居により生活保護からの脱却が確実な場合
  3. 市外の介護施設(有料老人ホームなど)への入所が決まった場合
 
これ以外でも認められる可能性はあります。最終的には、担当ケースワーカーに対して、「市外への転居だけれど、これは転居費用を出すのも仕方ない」と思わせるような説得力が決め手です。
 

Q2-2.家財道具を業者に運搬してもらうための費用の支給条件とは。

これは、上記Q2-1.敷金や不動産仲介料などの家を借りるための費用にリンクすると考えてよいでしょう。
 
運搬費用は「真にやむを得ないとき」に支給できるとなっていますが、現実の運用としては、家を借りる費用を支給するなら、運搬費用も支給するということになります。
 
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まとめ

  • 転居費用は、①家を借りるための費用と、②家財道具を運搬する費用、に分けて考える。
  • ①家を借りる費用が支給されるためには、17ケースのどれか一つに該当すること。
  • 市内での転居ならばこれでOK。市外に転居する場合は、さらに、「真にやむを得ない事情」が必要。
  • ②家財道具を運搬する費用は、①が認められれば、セットで認められる。
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