生活保護受給者への仕送りは、米?野菜?それとも現金?生活保護上の取扱いの違いとは。


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読者さん
知り合いの生活保護受給者が親戚から仕送りを受けているんですが、役所には言ってないみたいです。これって大丈夫なんですか?

仕送りは意味がない?

 生活保護法では、扶養義務者(親・兄弟・子)による仕送りは保護に優先すると定められています。(生活保護法第4条第2項)
 
このため、扶養義務者が保護受給者へ仕送りをしてくれる場合は、仕送りと同額の保護費を減額するのです。つまり、親族が身を削って仕送りをしてくれても、保護受給者本人の手取り総額は全然変わりません。
 
※扶養義務者については、こちらの記事をご覧ください。
 
仕送りする意味ないじゃないか、と考える人も多いでしょう。
 
確かに受給者本人と仕送りをしてくれる人との間では、仕送りの意味はないかもしれません。役所の立場からすると、支給する生活保護費を減らすことができるので好ましいのですが。
 
実際のところ、仕送りをしている人というのは少数です。役所としては、離婚した父親からの養育費に相当する仕送りについては強く求めますが、それ以外の場合は、扶養義務者に対してそれほど強く要請しません。
 

隠れ仕送りがある?

こういう制度ですから、次のように考える人が出てくるかもしれません。
 
 
扶養義務者
役所にばれないようにコッソリ仕送りすれば、保護費は減らされないから相手も助かるし、こちらも仕送りする意味があるじゃないか。
 
 
どの程度あるのでしょうか、隠れ仕送り。実際には、米や野菜などの現物で行われていることが多いように感じます。家庭訪問時に「娘が野菜を持ってきてくれたので助かる」というような会話が交わされることがあります。
 
ここでケースワーカーの方から、「どれぐらいの量ですか。毎月ですか」と確認し、それを金銭換算して保護費を減らすことが、制度上は正しいのかもしれません。
 
ですが、現実にはそこまでは突っ込みませんね。「優しい娘さんをお持ちですね~」と声をかけておしまいです。
 
生活に必要な米や野菜を全て仕送りで賄っている場合でもない限り、受け取った野菜や米の分だけ保護費を減らすことは、通常ありません。
 

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現金の仕送りは見逃せません

上記のような現物の仕送りと違い、現金の仕送りが行われている場合は、役所としては見逃せません。その分だけ保護費を減額します。
 
現金手渡しで外部から実態が分からないものはどうしようもありませんが、銀行口座へ送金されている場合は、いつ、誰が、いくら送金したのかが預金通帳で明らかです。したがって、たとえ少額であっても、不定期であっても、収入として認定します。
 
役所としても、ここまで仕送りの証拠が明らかであれば認定せざるを得ない、という面もあります。
 

まとめ

  1. 生活保護受給者が仕送りを受けると、受けた分だけ保護費を減らされるので、生活保護受給者本人にメリットはない。
  2. 米や野菜など現物の仕送りの場合は、実務上は、よほどの量や頻度でない限り、保護費を減らされることはない。
  3. 銀行口座への送金による仕送りは必ず収入として認定し、その分だけ保護費を減らされる。
10年ワーカー
生活保護受給者とその親族が仕送りをする関係にあること自体、ケースワーカーからすると安心です。それだけの間柄なら、万一の場合には手伝ってもらえるので。

仕送り以前の問題として、親族との間で時々会ったり電話をしたりする関係すら築けていない保護受給者もたくさんいます。

 

 
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