生活保護がばれる4つの理由とは?

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生活保護申請中のAさん
生活保護を受けているって、他の人にばれるんですか?
 
 
10年ワーカー
役所から部外者へ教えることは通常ありませんよ。市役所職員などの地方公務員の場合、地方公務員法で秘密を守る義務(守秘義務)が定められていますし。
 
生活保護申請中のAさん
え!?そうなんですか??でも、実はばれてるって聞いたことがありますよ???不安です。。。
 
 
10年ワーカー
確かに、立場上、役所以外にも生活保護受給者を知っている人はいます。では、その理由と対策を見ていきましょう。
 

生活保護受給者を把握しているのは誰?

生活保護受給の有無。これは、個人情報の最たるものです。一見、役所以外には絶対に知られない最高機密のようですが、実は役所以外でも立場上知っている人がいます。それは、民生委員、親族、病院関係者、大家などです。
 
この人たちはどうやって、生活保護受給の有無を知るのでしょうか。そして、この人たちに対して、保護受給について知られない方法はあるのでしょうか。
 

1.民生委員

民生委員とは、その地域の住民の相談に乗り、その問題解決にあたるとともに、地域全体の福祉増進のための活動にも取り組んでいる民間の方です。
 
民生委員は、立場上、その担当地区の生活保護受給者の情報を役所から知ることができます。しかし、民生委員にも法律で秘密を守る義務が課されているので、むやみに近所の人に教えたりすることはないはずです。
 
・・・ないはずですが、実際はあるみたいです。。。民生委員本人が外部に漏らす事例はあまり聞きませんが、民生委員の奥さんや旦那さんが近所の人に喋ってしまったり、ということはあるみたいです。
 
「近所の民生委員さんの家族から、生活保護受給者のことを聞いたが、教えてもいいものなのか?」という市民からの電話を受けたことがありますね。
 
民生委員に生活保護受給を知られないことは無理でしょう。そのことを知った上で活動することも、民生委員の仕事ですから。
 

2.親族

生活保護を申請すると、その人の親・兄弟・子供に対し、援助ができるかどうかを調査します。この扶養調査でバレてしまうんです。これは制度上仕方ありませんが、身内の恥をさらすようなものですから、親族から外部に漏れる話はあまり聞きませんね。
 
では、親族にバレない方法はあるでしょうか。バレないためには、役所から親族への調査自体をやめてもらうしかありません。そんな方法、あるんです。こちらの記事にまとめていますので、興味のある方はご覧ください。
 
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3.病院関係者

生活保護受給者の医療費は原則として生活保護で支給します。このため、生活保護受給者の通院先の関係者は、その人が生活保護を受けていることは知っています。
 
これは防げませんね。ですが、病院関係者は業務上知り得たことなので、外部にみだりにしゃべることはないはずです。
 
一般的に、生活保護受給者であることを病院に知られたくない場合というのは、病院の患者同士が知り合いであったり、病院の職員が知り合いであったりする場合が多いでしょう。
 
その場合は、自宅から遠く離れた病院を受診するのも一案です。ただし、その病院が生活保護の指定医療機関に登録されていることは確認してください。
 
実は、病院関係者にバレない方法もあります。それは、社会保険がある会社に勤め、3割の本人負担を自腹で支払うことです。
 
通常、社会保険に加入している生活保護受給者の場合は、保険者が7割を負担し、本人負担分(3割)を生活保護で負担します。本人負担分を自腹で支払ってしまえば、病院関係者にバレることはないでしょう。
 
しかし、生活保護を受けながら社会保険がある会社で就労している人は少ないですし、本人負担分は本来生活保護から支給すべきものです。それを生活費から自腹で支払うということは生活保護制度の趣旨に反していますので、お薦めはしません。
 
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4.大家・管理人・不動産会社

生活保護受給者が入居しているアパートの大家や管理人は、生活保護受給者を把握している場合が多いです。生活保護を受けているからと言って、役所が大家や管理人に教えるわけではないのですが、状況的に知られてしまうことがあります。
 
例えば、家賃の支払い。通常、家賃の支払期限は前月末ですよね。ですが、生活保護受給者はその月の生活保護費が支給されるまでは、家賃を支払えない場合がほとんどです。生活保護費の支給日は3・4・5日あたりです。それまで家賃の支払いを待ってもらう必要があるので、必然的に大家や管理人(不動産屋)にバレてしまうんですね。
 
また、敷金等の入居費用を役所が支給する際には、大家や管理人に対して敷金等の計算書の提出を求めます。この時点で大家や管理人には生活保護受給者だと分かってしまいます。
 
では、大家や不動産屋にばれない方法はあるでしょうか。この逆をやればいいわけです。つまり、家賃は前月末までに支払う、敷金等が必要な場合は親族などから援助してもらう、などです。しかし、現実には難しいかもしれませんね。
 
むしろ、一般的に、大家や不動産屋に対しては、生活保護受給者であることを伝えたほうがいいでしょう。なぜなら、大家や管理人にとって、入居者が生活保護受給者であることは、メリットである場合も多いからです。
 
生活保護費のうち家賃部分については、本人の同意があれば、役所から大家へ直接支払えます。そうすると、その人が保護を受けている限り、大家は確実に家賃を受け取れるわけです。したがって、生活保護を受給するようになったら、むしろ大家には積極的に伝えた方がいいくらいです。
 
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まとめ

役所以外で生活保護受給者だと知っているのは次の人達。
  1. 民生委員。担当地区の生活保護受給者について職務上当然に知っているので、生活保護を隠すのは無理。
  2. 親族(親、兄弟、子ども)。もし役所からの扶養調査をやめてもらうことができれば、生活保護を隠すことも不可能ではない。
  3. 病院関係者。隠すのは無理。社会保険に加入して、生活保護を隠す裏ワザもあるが、お薦めしない。
  4. 大家や管理人(不動産屋)。隠す方法もあるが、毎月のやり繰りが大変。むしろ大家や管理人には生活保護受給者であることを積極的に伝えた方がよい。
10年ワーカー
アパートに生活保護受給者を多く住まわせて家賃を確実に回収するというのは、ビジネスモデルとしてもアリだと思います。私も、将来やってみようかなあ。