実はメリットも!生活保護受給者をアパートへ入居させる際に、大家さんが気を付けるべきこととは?


アパートの大家さん
生活保護受給者から入居の申し込みがあっているのですが、生活保護受給者を入居させる際に注意すべきことはありますか?

入居の際にかかる費用は役所が出してくれますか?

家賃はキチンと支払ってくれるでしょうか?

10年ワーカー
生活保護受給者はカネがない。入居させて大丈夫?という大家さんの気持ちも分かります。でも、実際はどうなのでしょう。

実は生活保護受給者だからといって、困ったことばかりではありませんよ。むしろ、生活保護受給者ゆえのメリットもあります。

1.生活保護受給者を入居させる際の3つの注意点

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(1)家賃は、所管する福祉事務所の住宅扶助基準額内に設定する。

住宅扶助基準額を超えている場合、そもそもその物件への転居自体が認められません。必ず、その地域の基準額内に設定しましょう。基準額については、こちらのサイトが参考になります。 

(2)入居時に必ず敷金等を支払ってもらう。

生活保護では、入居時に敷金等を支給する明確な規定がありますから、入居時に敷金等をもらうのが原則です。

最近、入居時の費用が必要ない、いわゆるゼロゼロ物件を見かけますが、こと生活保護受給者の場合は何のメリットもありません。むしろ、退去時のトラブルの元です。

なお、契約時に敷金を支払っておらず、退去時に原状回復費用を請求された場合については、次の3つの条件を全て満たす場合に限って、原状回復費用を支給できます。上限額は入居時の敷金等の上限額と同じです。(別冊問答集 問7-117)

  • 契約書に原状回復の特約があること。
  • 原状回復の範囲が、常識的な範囲であること。
  • 故意・重過失により壊れた部分の修繕でないこと。 

(3)契約更新料、火災保険料、保証委託料を要する場合は、契約書へ明記する。

これらについては、入居条件として契約書に書いておくことで、次の2.で説明する住宅扶助費の特別基準額の範囲内で支給することができます。
 
契約更新料等の上限額=住宅扶助基準額(地域ごとの基準額はこちら)×1.3
 

2.入居の際にかかる費用は役所が出してくれる?

アパート入居時にかかる費用としては、敷金・礼金・不動産仲介料・火災保険料・保証料などがあります。役所の指示による転居の場合、これらの費用は「敷金等」という名目で役所から支給されます。
 
ただし、支給額には上限があります。上限額は、所管する福祉事務所ごとに定められた住宅扶助の特別基準額の3倍です。なお、住宅扶助の特別基準額は、通常の基準額の1.3倍です。敷金等の上限額は次の式になります。
 
敷金等の上限額=住宅扶助基準額(地域ごとの基準額はこちら)×1.3×3
 
敷金等の支給対象となる17の場面については、こちらの記事をご覧ください。 
 

3.生活保護受給者から家賃を確実に払ってもらうには?

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生活保護受給者の場合、最低生活費を計算する際に家賃を考慮していますので、家賃相当の金銭は受給者の手もとに入ってきます。
 
問題は、そのお金が家賃として確実に支払ってもらえるかどうかです。もちろん、家賃を支払う保護受給者が大半なのですが、一部には、それが家賃と分かっていながら遊興費や借金返済などに使ってしまう人がいるのも事実です。
 

家賃の回収には、住宅扶助代理納付制度を活用

確実に支払ってもらう一番の方法は、住宅扶助代理納付制度を活用することです。住宅扶助代理納付制度とは、生活保護費から家賃相当額を直接大家さんへ支払う制度です。
 
※住宅扶助費の代理納付については、こちらの記事をご覧ください。
 
なお、平成26年度の制度改正により共益費についても代理納付ができるようになりましたが、実施している福祉事務所は一部に限られます。詳しくは所管の福祉事務所へお尋ねください。
 

代理納付制度が活用できない場合は、口座自動振替も検討

ただ、この代理納付制度も万能ではありません。給料や年金など、生活保護以外の収入がある場合にはその分生活保護費が少なくなりますので、結果として生活保護費が家賃に満たず、代理納付もできない場合があります。
 
また、通常は代理納付ができていても、単身世帯で1ヶ月以上の長期入院になった場合は、生活扶助費が減額される影響で代理納付ができなくなる場合があります。
 
このような場合、大家さんが保護受給者から直接家賃を回収する必要があります。回収率を上げるには、その人の主要な収入の入金日に回収することが一番です。
 
年金の場合は偶数月の15日、給与の場合は給料日ということなります。手数料はかかりますが、銀行の口座自動振替を活用するのも一つの方法です。
 

まとめ

  1. 家賃は住宅扶助基準額内で設定する。
  2. 生活保護制度上、退去費用は支給できない可能性があるので、退去時に必要となる費用は、入居時に必ずもらっておく。
  3. 契約更新時の諸費用についても、契約書へ明記しておけば支給が可能。
  4. 役所の指示による転居の場合は、入居費用が役所から支給される。ただし上限額がある。
  5. 生活保護受給者は何らかの形で家賃分の収入は必ずある。家賃を確実に回収するためには、まず、代理納付制度の活用を検討。次に口座自動振替を検討する。
  
10年ワーカー
生活保護受給者向けのアパート経営。結構メリットが多いと思いませんか?んー、私もアパートの大家さんになろうかなぁ。(本気!?)
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