【生活保護小説】預金100万円。生活保護決定へのヤバい道のり。

 
西葛保吾(にしかつやすご)、49歳。
 
仕事は昨日で辞めた。
上司とトラブった末、「こっちから辞めてやらあ!」
思わず言ってしまった。
 
もう、後戻りはできない。
でも、すぐに次の仕事を探す気にもならない。
 
なぜなら、俺には虎の子の預金が100万円あるから。
独身だし、100万円あれば、半年は暮らせそうだ。
 
でも、半年後、俺はどうするんだ。再就職できるのか?
50間近でスキルもない俺を、雇ってくれるところはあるのか?
 
不安だ。
どうせ半年後には無一文になるんだ。
今から生活保護を申請してみるか。
 
次の日、市役所の生活保護課へ相談に行った。
 
俺「仕事辞めて、先のことが心配なんで、生活保護受けたいんですが」
 
担当者「現在、の資産状況を確認させてください。預貯金はいくらぐらいありますか?」
 
俺「銀行口座に100万ぐらいありますけど」
 
担当者「そんなにあるんですか。生活保護は最低限の生活を送るだけの資産がないかたが対象です。」
 
担当者「あなたの場合、半年以上生活できるだけの預貯金がありますから、今は申請できません。このまま生活して預貯金がわずかになったら、また相談に来てください。」
 
俺「・・・・」
 
マジか。
生活保護ってそういう制度なのか。
じゃあ、あと半年、金を少しずつ使っていって、残り2・3万になったら申請にいくか。
 
・・・・・待てよ。
銀行口座の100万円を使ったことにすれば、すぐに生活保護が申請できるんじゃ?
 
どうすればいいか。
銀行口座から100万引き出して、とりあえずタンスに隠そう。
それから、生活保護の相談に行こう。
 
・・・・ダメだ。100万円、何に使ったか聞かれるにきまってる。
 
翌日、西葛保吾は口座から6万円を引き出した。
そのうち3万円は財布に入れた。
一週間の生活費だ。
残りの3万円はタンスの引き出しの一番奥へ。。。
 
一週間後、西葛保吾は口座から6万円を引き出した。
そのうち3万円は財布に入れた。
一週間の生活費だ。
残りの3万円はタンスの引き出しの一番奥へ。。。
 
一週間後、、、
一週間後、、、
 
4ケ月後。
とうとう口座の残高は2万円だ。
よし、生活保護の申請に行こう。
 
2週間後、西葛保吾の生活保護が決定した。
タンスの引き出しの奥に48万円の現金があることは、西葛保吾以外誰も知らない。。。